ふれ愛交差点 2018年12月号
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 おせち料理は、元々は「お節せち供く」といい、元日と五節句(1月7日の「人じん日じつ」、3月3日の「上じょうし巳」、5月5日の「端たん午ご」、7月7日の「七しち夕せき」、9月9日の「重ちょうよう陽」)と呼ばれる節目の日に、感謝の気持ちとともに神様にお供えし、神様と一緒に食べる節句料理のことでしたが、後に一年で最も大切な節目である、正月を祝う料理のことを指すようになりました。 重箱に詰めるのは、「めでたさを重ねる」という意味があり、重箱の一段に詰める料理の種類は、縁起の良い奇数がよいとされています。上手に詰めるのは慣れないと難しいものですが、中に小さな器を入れるなどの工夫で、見栄えよく詰めることができます。重箱でなく、皿に盛るのもおすすめです。皿に盛る時も、料理の種類は奇数にすると良いでしょう。小さな器や葉ものなども上手に利用すると、見た目も華やかな盛りつけができます。家族が新しい一年を健康で、楽しく過ごせるよう、願いを込めて。皿盛りにするなら…冬も青々として、不老長寿を示す松葉や、裏白、菊の葉、南天など、昔から縁起が良いとされてきた植物をあしらうことで、お正月らしく、華やかな盛りつけになります。重箱に詰める時に、すき間を埋めるのにも重宝します。縁起食材のいわれおせち料理には昔から受け継がれたいわれがあります。それぞれの意味を知ることで、おせち料理の楽しみが広がります。栗きんとん紅白なますぶり昆布巻き煮しめきんとんは「金団」と書き、財宝のような黄金色であることから、縁起が良いとされています。細切りの大根とにんじんを、祝い事に使う紅白の水引に見立てています。ぶりは成長するにつれて名前を変える出世魚であるため、縁起物とされています。昆布は「よろこぶ」につながるとして、祝い事には欠かせない縁起の良い食材です。見通しの良いれんこん、長く育つごぼうなどを一緒に煮て仲の良い家族を表します。数の子にしんはひと腹の卵の数が多いことから、これにあやかり、子孫繁栄を願います。田作り(ごまめ)小魚は田畑の肥料に使われたことから「田作り」または「ごまめ(五万米)」と呼ばれ、五穀豊穣を願います。黒豆“まめ”は元来、健康、丈夫を意味する言葉で、家族がまめまめしく(勤勉に)働き、まめ(健康)に暮らせるようにと願います。たたきごぼう地中深く根をはるごぼうのように、家の基礎がしっかりと、安泰であることを願います。祝い事にふさわしい酒の肴、「黒豆、数の子、田作り」の3種で、これに餅があれば、祝いの食事になります。黒豆や田作りをたたきごぼうに代える地域もあります。【祝い肴三種】紅白かまぼこ紅色は邪気を払う色、白は清らかさを表す色です。縁起の良い色の組み合わせです。伊達巻き書物や絵画の巻物に似ていることから、学問にすぐれ、文化的に発展することを願います。えび腰の曲がった老人のような形から、家族が元気で長生きできるようにと願います。おせちの盛りつけに縁起の良い植物を18

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